2026.9.29

一般コラム

トマトの高温障害対策|猛暑で花が落ちる・実がつかない原因と対策

「花は咲くのに実がつかない」「夏になると花が落ちる」「着果しても玉が太らない」。
高温期のトマトでは、こうした症状がそのまま収量低下につながります。

農林水産省の令和7年地球温暖化影響調査では、高温によるトマトの着花・着果不良が全国の作付面積の4〜5割、西日本では5〜6割で確認されています。農林水産省

トマトの高温障害で特に注意したいのは、葉が萎れることだけではありません。
開花・受粉・着果という「実になるまで」の段階そのものが、高温の影響を受けることです。
まずは遮光、換気、灌水などで植物が受ける熱を減らす。そのうえで、避けきれない高温に対して植物自身が環境へ適応する力をどう支えるかも重要になります。

トマトの高温障害ではどんな症状が出る?

高温期のトマトでは、次のような症状が見られます。

  • 花が落ちる

  • 花は咲いても着果しない

  • 着果数が減る

  • 果実が十分に肥大しない

  • 葉が萎れる、生育が停滞する

  • 日焼け果が発生する

  • 果実の着色が悪くなる

実際に2026年夏も、農林水産省は一部産地で急激な高温によるトマトの着果不良を報告しています。農林水産省

高温障害は「暑くて少し元気がない」という問題ではなく、着果数や果実品質を通じて、最終的な収量・収益にまで影響する問題です。


なぜ暑くなるとトマトの実がつかなくなる?

高温は「花から実になるまで」に影響する

トマトは、開花から受粉・受精・着果に至る段階で高温の影響を受けます。
農研機構の試験でも、昼温34℃の高温条件によって着果率が低下することが確認されています。農林水産省

ただし、「34℃を超えれば必ず障害が起きる」という意味ではありません。品種、生育段階、夜温、湿度、水分状態などによって影響は変わります。
重要なのは、開花・着果期に強い高温が続くほど、収量を決めるプロセスそのものが不安定になりやすいということです。

光合成や水分バランスにも負荷がかかる

高温に強光や乾燥が重なると、植物は水分の損失を抑えるために気孔を閉じやすくなります。
するとCO₂を取り込みにくくなり、光合成も低下しやすくなります。
一方で、花や果実を維持し、肥大させるためにはエネルギーが必要です。

つまり高温期のトマトでは、
開花・受粉・着果への影響
+
光合成・水分バランスへの影響

が重なって、生育や収量に影響する可能性があります。


トマトの高温障害を減らす基本対策

高温対策では、まず植物が受ける熱そのものを減らすことが基本です。

遮光

遮光資材などを活用し、過度な日射や植物体・果実の温度上昇を抑えます。
ただし、遮光しすぎると光合成量も低下するため、日射条件に応じた調整が必要です。

換気・冷却

施設栽培では、換気、循環扇、細霧冷房などを組み合わせて温度上昇を抑えます。
農林水産省でも、トマトの着花・着果不良への対策として、遮光資材、細霧冷房、循環扇などが挙げられています。農林水産省

灌水・根域管理

高温時は蒸散量が増えるため、適切な水分管理が重要です。
一方で、水を与えすぎて根域が過湿になると、根の働きを妨げることがあります。
単に灌水量を増やすのではなく、根が水分・養分を獲得し続けられる環境を保つことがポイントです。


それでも「暑さ」を完全になくすことはできない

遮光、換気、冷却、灌水。
どれも重要な高温対策ですが、猛暑そのものを完全になくすことはできません。

そこで考えたいのが、
環境側からストレスを減らす
+
植物側から環境適応を支える

という二つのアプローチです。

植物は暑くなったからといって涼しい場所へ移動できません。
そのため、酸化還元バランスや抗酸化システム、根や葉の機能などを調整しながら、変化する環境へ適応しています。
高温障害全般については、農作物の高温障害対策|暑さで生育が落ちる理由と植物の適応力でも詳しく解説しています。


WAKUが着目している「グルタチオン」

そこで株式会社WAKUが着目しているのが、グルタチオンです。
グルタチオンは植物自身も体内に持っている物質で、酸化還元状態の調節、活性酸素の制御、環境ストレスへの応答など、さまざまな生理機能との関係が研究されています。

WAKUでは、こうしたグルタチオンの働きを活用し、植物自身の環境適応を支えるバイオスティミュラント「WAKUFUL」を開発しています。

WAKUFULが目指すのは、単に「花を落ちなくする」「根を伸ばす」といった一つの機能だけではありません。

環境ストレスへの応答、光合成、根の発達、養分獲得など、植物全体の生理機能を「環境適応」という一つの流れで捉える。

これがWAKUFULの基本的な考え方です。


研究開発型農業カンパニー・浅井農園のミニトマトで実証

WAKUでは、三重県津市の株式会社浅井農園でWAKUFULのミニトマト試験を実施しました。

浅井農園は、「常に現場を科学する研究開発型の農業カンパニー」を掲げ、ミニトマトの品種開発から栽培管理、環境モニタリングまで、データに基づいた農業生産に取り組む先進的な農業法人です。農林水産省からも「研究開発型農業カンパニー」として紹介され、2025年にはミニトマトでスマート農業技術活用促進法に基づく計画認定も受けています。農林水産省

すでに高度な栽培管理が行われている生産現場で、WAKUFULを500倍に希釈して約半年間施用しました。

その結果、

ミニトマト収量

対照区比 +7.6%

となりました。

さらに1ha当たりの導入シミュレーションでは、収量7%増を仮定した場合、WAKUFULの資材費を差し引いて約350万円/haの利益増となる試算でした。
収量だけではなく、「実際に生産者の収益につながるか」まで見る。
これもWAKUが実証で重視しているポイントです。

なお、この試験は高温ストレスだけを切り分けてWAKUFULの効果を検証したものではありません。
そのため、「WAKUFULによって高温障害が改善し、収量が7.6%増加した」と断定するものではありません。

一方で、高度な栽培管理が行われている実際のミニトマト生産現場において、WAKUFUL施用区で収量差が確認された一次データとして、トマト栽培への活用を考えるうえで重要な結果だと考えています。
三重・ミニトマトでのグルタチオン試験を詳しく見る


トマトの高温対策は「実をつけるまで」から考える

トマトの高温障害では、葉の萎れだけを見ていてはいけません。

高温は、
開花 → 受粉・受精 → 着果 → 果実肥大 → 着色
という、収量と品質を決める一連の過程に影響します。

まずは遮光、換気、冷却、灌水などによって、植物が受ける高温ストレスを減らすこと。
そのうえで、避けきれない環境変化に対して、
植物自身が環境へ適応する力をどう支えるか。

WAKUでは、植物の環境適応に関わるグルタチオンを活用し、実際の生産現場で研究・実証を続けています。


WAKUFULを試してみたい方へ

製品の特徴・使い方を知りたい
 → WAKUFUL製品ページを見る

まず少量から使ってみたい
 → Amazonで購入する

作物や使い方について相談したい
 → 取扱店に相談する

※試験結果は本試験条件下で得られたものであり、作物・栽培条件・施用方法等により結果は異なります。


よくある質問

トマトは何℃から高温障害が起こりますか?

高温障害が発生する温度は、品種、生育段階、夜温、湿度、水分状態などによって異なるため、一律には決まりません。農研機構の試験では昼温34℃の高温条件で着果率の低下が確認されています。特に開花・受粉・着果期は高温に注意が必要です。農林水産省

トマトの花が落ちるのは高温が原因ですか?

高温は原因の一つです。ただし、花落ちや着果不良には水分状態、樹勢、日射、肥培管理など複数の要因が関係します。高温期に症状が増えた場合も、温度だけでなく栽培環境全体を確認することが重要です。

トマトの高温対策で最初にすることは?

まず遮光、換気、冷却、適切な灌水などによって、植物が受ける熱と水分ストレスを軽減します。バイオスティミュラントはこれらを置き換えるものではなく、基本的な栽培管理を行ったうえで植物側から補完する選択肢です。

WAKUFULはトマト専用の高温対策資材ですか?

いいえ。WAKUFULはトマト専用・高温専用の資材ではありません。植物の環境適応に関わるグルタチオンに着目し、高温や低温など変化する環境下で植物自身の生理機能を支えることを目的としたバイオスティミュラントです。

この記事を書いた人

Yuta Nakamura

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