2026.9.15

一般コラム

農作物の高温障害対策|暑さで生育が落ちる理由と植物の適応力

農作物の高温障害は、高温による光合成能力の低下や活性酸素の増加、水分バランスの乱れなどによって、生育停滞や収量・品質の低下を引き起こします。
基本的な対策としては、遮光や適切な灌水、換気、地温上昇の抑制などがあります。加えて近年では、こうした栽培管理だけでは抑えきれない高温ストレスに対し、植物自身が持つストレス耐性を支えるバイオスティミュラントの活用も進んでいます。
本記事では、高温によって植物の中で何が起こるのかを整理したうえで、植物のストレス応答とグルタチオンの関係について解説します。


暑さは、いまや農業の「特別な問題」ではない

夏になると、作物の葉がしおれる、生育が止まる、花が落ちる、果実の肥大が鈍る――。近年の農業では、高温による生育への影響をどう抑えるかが、作物を問わず重要なテーマになっています。
高温対策の基本は、遮光・灌水・換気・根域管理などによって、植物が受けるストレスそのものを小さくすることです。
一方で、もう一つ考えてみたいのが、「暑いとき、植物の中では何が起きているのか?」という視点です。植物は暑くなっても、その場から逃げることができません。そのため、自らの生理状態を変えながら環境に適応する仕組みを発達させてきました。

WAKUでは、この「植物自身の環境適応」に着目しています。


高温になると、植物の中では何が起きる?

高温の影響は、単に植物の温度が上がるだけではありません。
高温による影響は単純な「暑さ」だけではなく、光合成能力の低下や酸化ストレスなど、植物体内で起こる複数の生理的変化が関係しています。

  1. 活性酸素種(ROS)が増えやすくなる

    植物が高温や強光などのストレスを受けると、細胞内では活性酸素種(ROS)が増えることがあります。

    ROSは植物の情報伝達にも使われますが、過剰になると細胞膜やタンパク質、光合成に関わる器官などへの負荷につながります。

  2. 光合成が低下しやすくなる

    高温や乾燥が重なると、植物は水分損失を抑えるため気孔を閉じます。

    するとCO₂を取り込みにくくなり、光合成の効率も低下しやすくなります。

  3. 根からの水分・養分獲得が不安定になりやすい

    高温の影響は地上部だけではありません。

    根域温度が高くなることで根の生理機能にも負荷がかかり、水分や養分の獲得が安定しにくくなることがあります。

  4. 成長よりも「守る」ことにエネルギーを使う

    高温ストレスを受けた植物は、生育だけでなく、防御・修復・活性酸素の調整などにもエネルギーを使います。

    その結果、活着不良、生育停滞、開花・着果の不安定化、収量や品質への影響として現れることがあります。


農作物の高温障害にはどのような対策がある?

農作物の高温障害対策では、まず作物が受ける熱そのものを減らす栽培管理が基本となります。代表的には次のような方法があります。

  • 遮光
    遮光資材などで日射を和らげ、葉や果実の温度上昇を抑える。

  • 灌水・水管理
    適切な灌水によって高温時の水ストレスを軽減する。

  • 換気・冷却
    施設栽培では換気や細霧冷却などで温度・湿度を調整する。

  • 根域管理
    根が健全に働き、水分・養分を獲得できる環境を整える。

  • 品種・作型の見直し
    高温に強い品種や作期調整によってリスクを分散する。

WAKUFULを含むバイオスティミュラントは、これらの基本管理の代わりになるものではありません。
一方、近年の猛暑では、環境を完全にコントロールすることが難しいケースも増えています。
そこで、こうした物理的な高温対策とあわせて、植物自身のストレス耐性や環境適応力を支えるアプローチも重要になっています。


植物自身の環境適応に関わる「グルタチオン」

植物は高温環境の中で、酸化還元バランス、抗酸化システム、根や葉の機能などを調整しながら環境へ適応します。
その中でWAKUが着目している分子が、グルタチオンです。グルタチオンは3つのアミノ酸からなるトリペプチドで、植物の体内でもつくられています。酸化還元状態の維持や活性酸素の制御、ストレス応答など、植物のさまざまな生理機能に関与しています。

WAKUでは特に、

  • 環境ストレス耐性

  • 根張り

  • 光合成

  • 養分獲得

という複数の生理機能とグルタチオンの関係に着目しています。

植物は移動することができないため、高温や乾燥などの環境変化に対して、自らの代謝や生理機能を変化させながら適応しています。
その際に重要になる要素の一つが、植物体内の酸化還元バランスです。


WAKUFULは、植物の「環境適応」に着目したバイオスティミュラント

WAKUFUL(ワクフル)は、酸化型グルタチオンを活用した農業用バイオスティミュラントです。
WAKUでは、酸化型グルタチオンを外部から与えることで植物のGSH/GSSGバランスが変化し、植物自身のストレス応答を引き出す作用機序に着目しています。

WAKUFULが目指しているのは、「暑さそのものをなくす」ことではありません。
植物が変化する環境の中でも、自らの状態を調整し、本来の機能を発揮しやすい状態を支えることです。

その結果として、栽培条件や植物の状態に応じて、根の発達、光合成、水分・養分獲得、生育、結実、収量・品質などに変化が現れる可能性があります。WAKUでは、これらを別々の効能ではなく、植物の環境適応に伴って現れる生理応答として捉えています。

WAKUFULについて詳しくはこちら


愛知県のキャベツ試験では、欠株対策にも効果

猛暑による活着不良は、最終的な収量にも直結します。

愛知県豊橋市のキャベツ生産者では、猛暑による苗の活着不良と、乾燥・長雨による欠株が課題となっていました。そこで、WAKUFULを1,000倍希釈し、育苗期から定植後まで計3回施用しました。
その結果、育苗時点で苗丈は31.2%増、葉長は22.6%増。根張りも改善し、根鉢が形成されやすい苗となりました。

収穫時には、収穫できた株数が17%増加し、1玉当たりの平均重量も微増。生存率と平均重量から算出した期待収量は、対照区比で32%改善する結果となりました。高温期の欠株対策では、定植後だけでなく、育苗段階から活着しやすい苗をつくることが重要です。


なぜWAKUFULは、高温対策だけで終わらないのか

WAKUFULが着目しているのは、「暑さ」そのものではなく、植物が環境変化に適応する仕組みです。

グルタチオンは環境ストレスへの応答だけでなく、根の発達、光合成、養分獲得など、植物のさまざまな生理機能に関与しています。

そのためWAKUFULは、高温期の活着や欠株だけでなく、

  • 根張り

  • 光合成

  • 養分獲得

  • 生育

  • 収量・品質

といった複数の課題に、植物の環境適応という一つの科学的な文脈からアプローチできることが特徴です。

何か一つの機能を無理に伸ばすのではなく、植物本来の環境適応を支える。

それが、WAKUFULが目指しているバイオスティミュラントの考え方です。


WAKUFULを試してみたい方へ

製品の特徴・使い方を知りたい
 → WAKUFUL製品ページを見る

まず少量から使ってみたい
 → Amazonで購入する

作物や使い方について相談したい
 → 取扱店に相談する

※試験結果は本試験条件下で得られたものであり、作物・栽培条件・施用方法等により結果は異なります。

この記事を書いた人

Yuta Nakamura

関連記事