レポート
愛知・キャベツでのグルタチオン試験



今回は、愛知県豊橋市でキャベツを生産されている 愛知県農協青年組織協議会委員長(JA全青協)の中島さん を訪問しました。中島さんの畑(育苗ハウス)では現在、グルタチオンを用いた試験を進めています。
背景と課題
ここ数年、夏の猛暑による影響が深刻化しており、畑に植え付けた苗がダメになってしまうケースが増えています。中島さんも「まずは枯れない、強い苗を育てたい」という強い思いを持ち、今回の試験に臨まれました。
試験の概要
今回の試験は、愛知県農業普及センター の方にも立ち会っていただき、以下のスケジュールで行われました。
7月25日:播種
8月11日:本葉2枚展開後、グルタチオンを1,000倍希釈で施用
8月20日:計測
現場では「グルタチオンやっとる方が見た感じ大きいね」という声も聞かれ、まずは目視で違いが感じられました。(以下、右の3トレイがグルタチオン区、左の1トレイが無処理区)

計測結果
実際のデータは次の通りです(平均値)。グルタチオン区、無処理区ともに3トレイを育苗ハウス内でムラのないように真ん中から選び計測しています。
苗丈_cm(各区n=60) | 根長_cm(各区n=12) | バイオマス重_g(各区n=12) | 根重_g(各区n=3) | 葉長_cm(各区n=12) | 葉幅_cm(各区n=12) | |
グルタチオン区平均 | 9.83 | 11.54 | 1.21 | 0.43 | 3.62 | 2.43 |
無処理区平均 | 7.50 | 10.60 | 1.07 | 0.33 | 2.95 | 2.36 |
増加量 | 31.2% | 8.9% | 13.3% | 27.5% | 22.6% | 3.2% |

全体的にグルタチオン施用区の数値が上がっており、良い苗ができていることを示しています。(バイオマス重というのは、植物体全体の重量のことです)
今回はしっかりめに調査をしたので統計的な処理も行いました。結果は以下の通り。サンプル数の関係で統計的な有意差がないものもありましたが、しっかり傾向は出ています!
測定項目 | t統計量 | p値 | 有意差の有無 |
苗丈 | 23.79 | 3.50E-43 | 有意差あり(グルタチオンで有意に長い) |
根長 | 0.84 | 0.41 | 有意差なし |
バイオマス重 | 1.92 | 0.074 | 傾向あり(p<0.1だが有意差なし) |
根重 | 2.52 | 0.069 | 傾向あり(p<0.1だが有意差なし) |
葉長 | 4.84 | 0.0001 | 有意差あり(グルタチオンで有意に長い) |
葉幅 | 0.76 | 0.45 | 有意差なし |

今後の展開
ここから畑に植え付けを行い、結球前と結球直後にそれぞれグルタチオンを施用し、最終的な収量や品質への効果をモニタリングしていきます。
気候変動によって苗づくりの難しさが増す中、グルタチオンが生産現場の力強い味方になれればと思っております。今後のレポートもお楽しみにお願いします!
この記事を書いた人
Ryosuke Himeno
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